アザ治療
以前はあざを治療するには手術療法が取られていましたが、最近はレーザーによって治療する方法が一般的となり、患者への負担も大幅に減りました。
赤アザ・青アザ・黒アザの各種レーザー治療
赤あざ(単純性血管腫)
赤あざ(単純性血管腫)は皮膚の血管が異常に増殖して起こります。赤い血流が透けて見える症状で、生まれつきあるものです。日本人の赤ちゃんの約1.5%にみられます。色合いはピンクから赤黒いものまで様々で、幼少時には隆起しませんが顔や首の血管腫は年齢と共に盛り上がることがあります。大人になり極端に盛り上がったものは、切除手術の必要がありますので、予防の意味も含めて早めに治療することをおすすめします。3ヶ月に1回の割合でレーザー治療を行います。また、保険で治療が行えます。
茶あざ(扁平母斑)
茶色のあざ(扁平母斑)は2種類のレーザーを用いて治療します。あざの辺縁がギザギザしているもの、肩から腕にひろがっているもの(ベッカー母斑)は比較的きれいになります。一部の茶あざはレーザーに反応しないためテスト照射を行います。 生後1才までの治療で有効率が上がります。一旦治癒しても再発することがあります。また、保険で治療が受けられます。
黒あざ(ほくろ)
黒あざは、要するにほくろです。顔にある径1センチ未満のホクロは炭酸ガスレーザーメスを使い切除します。 顔以外では基本的に金属メスで切除します。 症例によっては多種類のレーザーを組み合わせた治療や冷凍療法を行います。また、保険で治療が受けられます。
青あざ(太田母斑)
思春期に額から頬にかけて青くなる太田母斑、生まれつき片腕の青い伊藤母斑、中学生になっても消失しない蒙古斑、いづれも皮膚の深いところにメラニンを作るあざ細胞が増えたため外観上青く見えるのです。麻酔の注射後処置します。治療間隔は3~4ヶ月に1回程度です。また、保険で治療が受けられます。
太田母斑
太田母斑は、ほほ・まぶた・額など(多くは片側)に生じる青から灰褐色調の母斑で、種々の深さに色素細胞が散在沈着したアザです。出生時からすでにある場合と思春期前後からしだいに色が出てくる場合があります。
治療は従来より、冷凍療法や植皮が行われてきましたが、それぞれに欠点があり決定的な治療ではありませんでした。近年、レーザー治療の発達によりレーザー治療が安全かつ後遺症の非常に少ない治療として確立しました。現在、太田母斑に他対する治療はQスイッチレーザーが第一選択です。
治療について
レーザー治療に必要な期間
少なくとも3回から7回(平均5回)の繰り返しのレーザー治療が必要です。治療間隔は3ヶ月から4ヶ月に1回の割合で行います。
レーザー治療にあたって
レーザー照射はレーザー予定部位に局所麻酔の注射をしてから行います。
※2歳から9歳までの子供さんは術中に顔や手を動かすなど安静が保てないことがあります。麻酔の注射ができない場合は全身麻酔下の治療が必要です(当院では不可)。2歳以下または10歳以上での治療をおすすめします。
治療後は・・・
レーザー治療直後、腫れと出血が見られます。かさぶたは7日目ぐらいから脱落します。かさぶたがとれた時点から日焼け止めクリームをぬり、レーザー焼けといわれる色素沈着を予防してください。レーザー焼けを起こした場合は、ハイドロキノン、レチノイン酸等の美白剤の外用を行うことがあります。医師かスタッフにご相談ください。
レーザー治療は後遺症、合併症は極めて少ないのが特長です。治療後は、1週間後に経過を見るために来院ください。また、ご不明な点などありましたらお電話ください。